8月11日、OBLIVION DUSTの「Dirty Heat Tour 2016」のツアーファイナルが東京 TSUTAYA O-EASTにて行われた。最新アルバム「DIRT」を引っ提げてのツアー。最終公演は外の猛暑に負けぬくらい熱いライブとなった。


 

午後7時—。ARIMATSU (Drums)、K.A.Z (Guitar)、RIKIJI (Bass)、yuji (Guitar)、そしてKEN LLOYD (Vocals)が順にステージに立つ。最初のナンバーは「In Motion」。最新アルバム「DIRT」のなかで、最もOBLIVION DUSTらしさが凝縮されている楽曲だ。CD音源以上に、ギターのロックサウンドが強調されている。さっそくモッシュが起き、ダイバーも出現。メンバーもファンも最初から全力でライブを楽しむ、それがこのバンドの魅力だ。

続くは「Microchipped」。中盤ではyujiがステージの前方へ歩み寄り、手拍子を促す。ハードな始まり方とは裏腹に、サビの爽やかな音色は青と緑の照明で彩られている。最後のK.A.Zのギターもサビから続き、解放的だ。

3曲目は「Death Surf」だ。5月に出演した「VAMPS LIVE 2016 ZEPP FUKUOKA THE FINAL PARTY」で初披露されたこの楽曲。ファンも既に独自の盛り上がり方を見つけたようだ。60年代のサーフ・ミュージックをオマージュしたサビ直前のギターフレーズ、そして今までとは異なったスタイルのドラムソロがバンドの違う一面を魅せる 。

「O-EAST元気ですか?OBLIVION DUST “Dirty Heat Tour 2016”ファイナルです。よろしくお願いします。夏は暑いですけど、さらに暑くしてくれることを期待しています。」とKENが挨拶をし、4曲目の「Syndrome」へと続く。

続く「Lolita」は耳につくリフが印象的だ。RIKIJIの激しいヘッドバンギングとは対照的に、K.A.Zはギターを持ったまま身軽に回っている。間奏部分の崩れ落ちるようなダークさが楽曲の深みを引き出す。

6曲目の「S.O.S」はイントロが流れると同時に歓声が湧き上がる。自身のベースを楽器としてだけではなく、パフォーマンスのツールとしても駆使しているRIKIJIはエンターテイナーそのものだ。

新曲「Nightcrawler」が続く。曲中の「I hate rock n’ roll」という反発的なフレーズは、12月から開催される全国ツアーのタイトルとしても使用されるようだ。この反抗的なロック魂が彼らの格好良さだ。

冗談を交えたトークのあとは、開放感が夏にぴったりな「Caprice」。眩しい太陽を浴びていた夏休みが恋しくなる、なんだか懐かしさを感じる楽曲だ。

9曲目は夕焼けをバックに聴きたくなる「Your Yesterday」。ARIMATSUのドラムは会場一面に響き、観客もうっとりと聴き入っている。そして、異国のムードは続くものの、続く「No Regrets」ではラップ風味なボーカルも取り入れ、正反対の音楽性だ。

MC直前の11曲目は「Goodbye」だ。ツアーの疲れを全く感じさせないKENの伸びるボーカルは何度聴いても鳥肌が立つ。「Never Ending」「Under My Skin」と続き、ステージの勢いは増すばかり。そして14曲目は「DESIGNER FETUS」だ。サビの「Can’t burn」の部分ではファンも大合唱している。

リピーターの間ではすっかりお馴染みの「Sail Away」が続く。手拍子に合わせてハイタッチするファンや両手をあげて踊っているファン。その姿にRIKIJIも笑みをこぼす。

「まだ熱さが足りないというか…俺のポカリまだ?まだこっちは全然冷え冷えでやっている感じがするんだけど…タオルない?」とジョークたっぷりのトークで観客の笑いを誘う。

続く「Evidence」では定番のディスコボールが煌めいている。ギターソロの独特なエフェクトがK.A.Zの多彩なセンスを引き出している。18曲目の「Haze」は、昨年末に行われた東京公演よりもより一層パワーアップ。 まるで 激しいダンス会場のような光景が目に映る。

ラストは「Sink The God」。K.A.Zがギターを回すと、観客からは大きな声援があがる。こんなにも激しい曲を最後に持ってくるのはロックバンドならでは。ツアーファイナルということもあり、メンバーもファンも全てを出し切っている。

パワフルな演奏を終えると、メンバーは一人一人ステージを去っていく。その後、スクリーンには全国ツアーの発表が映し出されると、客席から驚喜の声が上がる。20周年を迎えるOBLIVION DUSTの勢いはまだまだ止まらないようだ。


2016.08.11 SETLIST

01. In Motion
02. Microchipped
03. Death Surf
04. Syndrome
05. Lolita
06. S.O.S
07. Nightcrawler
08. Caprice
09. Your Yesterday
10. No Regrets
11. Goodbye
12. Never Ending
13. Under My Skin
14. DESIGNER FETUS
15. Sail Away
16. Evidence
17. Haze
18. Sink The God


OBLIVION DUSTは日本発にして世界標準の音楽性を持つAlternative Rock Band。KEN LLOYDの英詩と疾走感あふれる破壊力抜群の楽曲が既存のJ ROCKの概念を打ち破る。

1996年の結成以来、数多くのリリース・ライヴを通してファンのみならず多くのミュージシャン・音楽業界内にも多大なる影響を与える。日本のRock界において今なお唯一無二の存在である。

2000年12月23日の東京ベイNKホールのライヴを最後にRIKIJIが脱退、翌年の2001年6月30日に解散をする。

2007年にRIKIJIを含めた3人での再結成を果たし、同年9月8日、9日に解散以来6年振りとなるライヴを行う。2008年4月にメンバーそれぞれが同時並行で活動していたBandやプロジェクトが多忙となり、OBLIVION DUSTとしての活動が一時休止となる。

2011年2月18日、19日にSHIBUYA-AXにて、約3年振りとなるワンマンライヴを行い活動再開。それとともにオフィシャルファンクラブ「Club OVERDOSE」を設立。

2012年4月11日には7枚目となるアルバム「9 Gates For Bipolar」をリリース。以降、毎年精力的にライヴツアーを展開し、多くのファンを魅了している。2014年11月26日には、活動再開以降の軌跡を描いたドキュメンタリーLIVE DVDをDelicious Deli Recordsよりリリース!

2016年7月20日に4年3ヶ月振りとなる全7曲入りミニアルバム「DIRT」をリリース。


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